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2026.09.30
第84回 M&Bホスピタルソリューション会
9月17日に「令和8年度M&Bホスピタルソリューション会」の定例会・講演会を開催いたしました。
M&Bホスピタルソリューション会は、企業と医療をつなぎ、交流を深め相互理解を促すことを目的として、ユアサM&B株式会社会長 松田憲二が2000年に創設した会です。
現在は、関西を中心とした大企業にご参加いただき、医療業界全体の発展に寄与する活動を展開しております。
定例会にて、
関西電力株式会社 法人営業グループ部長 平木 真野花 様より、
「電力を取り巻く環境とVPP(デマンドレスポンス)について」
というテーマで電力を取り巻く環境やエネルギーの環境変化を講演して頂きました。
講演では、東日本大震災をきっかけに、再生可能エネルギーを普及させるための「FIT制度」が新しく作られ、IoTなどの新しい技術も進むなど、日本の電力事情は大きな転換期を迎え、
今後の課題として火力発電を維持することが重要であると解説されました。
また、日本は、発電が太陽光に大きく偏っており、
昼間は太陽光発電で電力をまかなえても、夜間は火力発電に頼らざるを得ない構造になっています。そのため、発電コストが高い「LNG(液化天然ガス)」を使わざるを得ず、それが電気料金の値上がりにつながっているとお話しされていました。
今後は、電源の新増設が十分行われるまでの間は火力発電中心にして既存電源を活用していくことが現実的であると語られていました。
現行制度の下、電源を維持・確保していく方策の検討に加え、DRなどの需要側のリソースの活用策が重要となり、引き続き対応策を検討していく方針であるとのことです。
■デマンドレスポンス(略:DR)…電気を「作る量」ではなく「使う量」で調整することで、電力の需給バランスを保つ仕組み。
■FIT制度…「再生可能エネルギー固定価格買取制度(Feed‑in Tariff)」の略称。再エネで発電した電気を、電力会社が法律に基づき一定価格で一定期間買い取る制度のこと。
その後の講演会の講師には、
医療法人 協和会 理事長
「北川 透 氏」をお招きしました。
北川氏は、1985年に大阪大学医学部をご卒業された後、
国立呉病院・中国地方がんセンター、
1996年にはアメリカのピッツバーグ大学で外科の医師を務め、
1999年には大阪大学医学部第一外科にて勤務。
2007年に同大学の特任准教授を経て、
2011年に医療法人協和会 協立病院の病院長と大阪大学医学部の准教授を歴任。
2013年に医療法人 協和会 理事長になられたご経歴です。
現在は、
医療法人協和会 理事長
大阪大学医学部附属病院 卒後教育開発センター 特任教授
兵庫医科大学 評議員
大阪青山大学 理事
を務められています。

【開催レポート】「病院が赤字に陥る背景と今後の展望」
数々の国内外の病院で経験を積まれ、教育や病院経営にも携わってこられた北川先生のお話は
参加者の皆様にとって興味深い内容であり、終始聞き入っておられました。
北川先生には「病院が赤字に陥る背景と今後の展望」をテーマに、
日本の医療現場の現状についてご講演いただきました。

はじめに、全国の病院の約7割が赤字経営であり、利益率は常にマイナスに陥っていると話されました。日本は病床数が世界一、外来受診回数が世界第2位である一方、医師や看護師の数は患者数に対してむしろ少ないとのことです。
このような厳しい環境にあるにもかかわらず、乳児死亡率や脳血管障害・がんの死亡率が低く、世界トップクラスの長寿国を維持できているのは、日本の医師や看護師が世界有数の優秀さを誇っているからだと語られました。それを裏付けるように、日本医師会はWHOによって世界一であると評されています。
しかし、こうした優れた医療体制がある一方で、北川先生は急速な少子高齢化が深刻な影を落としていたと説明されました。諸外国が40〜115年かけて進んだ高齢化を、日本はわずか20数年という短期間で迎えてしまいました。かつては自宅で亡くなる人が多かったものの、現在は死亡者の約8割が病院で亡くなるため、地域医療構想を根本から見直す必要があるとのことです。
こうした背景から、現在の急性期病棟では徹底したリハビリが推進され、受傷から14日以内で8割の患者の在宅復帰を目指す必要があると述べられています。
また、少子高齢化の中でも特に「少子化」が大きな問題であると指摘されていました。
さらに、物価が上昇している一方で診療報酬は横ばいのままであり、公立病院は補助金を合わせても赤字経営から抜け出せない状況にあると解説されました。
こうした経営状況を改善するために、「病室の完全個室化」や、「万歩計を導入した病院設計の検討」など、様々な取り組みを進められていることが紹介されました。
最後に北川先生は、こうした複合的な課題に対して、地域と行政が一体となってどのように医療体制を支えていくべきか、真剣に考えていかなければならないと語られました。